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人材派遣業界コラム集 製造業請負事業の適正化に向けてガイドライン
 
製造業請負事業の適正化に向けてガイドライン
 
【2007年07月06日】 製造業請負事業の適正化に向けてガイドライン
★製造業請負事業の適正化に向けてガイドラインが策定されました。

 製造業の請負事業については、偽装請負の問題を始めとする労働者派遣法等の労働関係法令違反や、ワーキングプア−といわれる労働条件や収入の格差問題、さらにこれらの職場で働く労働者のキャリアパスが明確でない等、様々な問題点が指摘されています。
 そのため、「製造業の請負事業の適正化及び雇用管理の改善に関する研究会」が開催され、製造業の請負事業やそこで働く労働者の実態や取組の実例を把握し、製造業の請負事業の雇用管理の改善及び適正化の促進に取り組む請負事業主、発注者双方が講ずべき事項や、より取り組みやすい方策について検討を行ってきました。

 ここにその報告書がまとめられ、厚生労働省より6月29日発表されるに至りました。製造業の請負については、2004年3月1日に派遣が解禁されて以来、数多くの偽装請負問題として頻繁にマスコミに取り上げられるとともに、労働局の指導も強化されてきました。

 2007年3月1日には、製造業の派遣期間が1年から最長3年まで延長され、請負と派遣を区別して使う企業も増えてきました。偽装請負になっていた部分は、適正な派遣契約に切り替え、派遣期間が満了してもなお、使いつづけるのであれば直接雇用するという当たり前のスタイルにするのはもちろんのことです。

 しかし、社員化するばかりでなく適正な請負を行うことで、競争力をつけることも必要です。しかし、請負で働く労働者が正社員の待遇と著しく異なるのであれば、将来的に請負労働者がいなくなってしまうことも考えられます。

 請負労働者の雇用管理の改善やこれからのキャリアパスを明示し、よりスキルを高めて上位の職務への登用を設けたり昇給させたりといったことを通じて、請負労働者の雇用の安定と待遇の改善を図ることは、大切なことです。

 そのため、請負事業主向けのガイドラインと発注者向けのガイドラインが策定されより一層の改善に向けた取組が始まることになりました。

 報告書の内容ですが、簡単にまとめると以下のようになっています。

1.製造業の請負事業で働く労働者を巡る現状と課題

 (1)請負労働者(製造業の請負事業で働く労働者)の数、勤務日数等
   請負労働者には若年労働者が多いこと、製造現場で大きな役割を果たす働き方をしていることから、これら製造業の請負事業で働く若年労働者が技術、技能を蓄積し、

将来展望を持ち、ものづくりを担う人材として育成され得る環境が確保されることが必要である。

 (2)雇用期間、勤続期間等
   請負労働者は、それ以外の労働者に比べて早期に離職に至る傾向が強いこと、請負契約の期間より短期の有期雇用契約を反復更新して働いている場合が多いことから、雇用が不安定となりやすいと考えられ、こうした雇用関係を安定的にしていくことが必要である。
   また、請負労働者から現場のリーダーへ、また管理者への登用の道筋をつくり、これを示すとともに、希望に応じて実際に登用し、処遇を向上させることが必要であり、こうした取組により、請負労働者の定着が図られるものと考えられる。

 (3)賃金
   労働条件が向上しない、勤続して技能、技術を習得しても賃金に反映されないといった状況は、請負労働者の早期離職傾向の要因の1つと考えられることから、職業能力の開発や技能や経験の蓄積が労働条件に反映される等の実感できる労働条件の向上に向けた取組が必要である。

 (4)キャリアパスの状況
   請負労働者に多様なキャリアパスを示し、将来の見通しがたてられるようにし、労働者の希望に応じて雇用の長期化を図り、職務経験を積み、必要な技能、技術を身につけられるよう支援していくことが必要である。

 (5)能力開発の状況
   職業能力開発等により技能、技術が向上すれば賃金などの労働条件に反映される等、請負労働者にとってわかりやすい能力評価がされるようにすることが、請負労働者の能力開発のインセンティブとなり、ひいては質の高い請負事業を可能にすることにつながるものと考えられる。
   そのため請負会社は、今行っている請負業務に限定せず、長く能力のある請負労働者と安定的な関係を築き、請負労働者の能力を有効に発揮させることが請負事業にとっても有益であるとの考えに立ち、足下の業務処理のためだけではなくリーダーや管理者への登用を前提にした教育訓練を充実する必要がある。また、発注者が請負労働者の職業能力の開発に協力することも有用であると考えられる。

 (6)福利厚生
   福利厚生の充実は、請負労働者の雇用関係の安定化に資するものであるため、請負事業主による主体的な取組はもとより、発注者の協力を得て取組を進めることが必要である。

 (7)苦情の処理
   苦情、不満の解決に当たっては、請負労働者がどのような苦情や不満を持っているのか、よくコミュニケーションを図って把握することや、苦情や不満を持ち込みやすくすることが必要であり、具体的な苦情や不満を踏まえ、請負労働者の能力と評価に応じた処遇の確保、安全衛生の徹底、業務内容の周知徹底等に取り組んでいくことが求められる。

 (8)法令遵守
   労働・社会保険については、加入しなければならないのに加入していないなどの割合が高いため、今後は、労働・社会保険の適用をさらに促進していく必要がある。さらに労働安全衛生の確保については、請負事業の特殊性に鑑み、労働安全衛生法の一部の義務が発注者に課されているが、法令上の措置にとどまらず、発注者が請負事業主も含めた事業場全体にわたる総合的な安全衛生管理体制を確立し、このもとで、発注者、請負事業主それぞれの立場から連携を取りつつ諸対策を進めることが重要である。また、実際に作業をする請負労働者にもしっかりとした労働安全衛生の教育がされることが求められる。

 (9)発注者と請負事業主の関係について
   今後も請負の活用が進むことを見込むと、請負事業が発注者の一時的な業務量変動に対応した業務を請け負うことはもとより、長期的に製造業を担う重要なパートナーとして、共にものづくりに携わっていくことが求められる。このためには、請負事業主は、質の高い人材を確保・育成し、専門性や技術水準、生産管理能力等の付加価値を向上させていくことが必要である。
   発注者が請負事業主を選択する際に重視する点としては、「請負料金の水準」とする者が最も多いものの、「請負労働者の技能水準」「生産管理の能力」「請負労働者の社会・労働保険の適用状況」のいずれも重視するとする者が多くなっており、専門性や技術力、また、請負事業主が法令遵守しているかについても、発注者は関心を示していることがうかがえる。請負事業主にとっては、専門性や技術力を高め、法令を遵守することはもちろんであるが、自らの能力や法令遵守の状況を積極的にPRしていくことが、請負料金、ひいては雇用管理の改善にもつながってくるものと考えられる。


2.製造業の請負事業の雇用管理の改善及び適正化の促進に向けて

 製造業の請負事業が広がりを見せ、請負労働者が製造現場で大きな役割を果たしている中で、請負労働者については、雇用契約が短期で繰り返される等労働条件、処遇その他雇用管理が必ずしも十分ではなく、技術・技能が蓄積されないといった現状や、労働関係法令が徹底されていないといった現状がある。これらを改善することが、請負労働者が現在及び将来の職業生活を通じてその有する能力を有効に発揮することができるようにする有効な手段であり、我が国のものづくりを支える人材を育成していくことにもつながるものである。

 このため、雇用管理の改善や適正化の促進に係る取組を進める必要があるが、請負事業は、発注者から受注した業務を処理する形態の事業であるため、請負労働者の雇用等に関して発注者からの影響を受けやすいといった特徴があり、その雇用管理の改善及び適正化の促進を実効あるものとするためには、発注者の協力が必要である。
 
 このような取組を請負事業主、また発注者が進めやすくするためには、請負事業主自らが雇用管理の改善や適正化の促進に取り組む際の参考として、また発注者の協力を求める際にも一つの望ましい姿として示すことができるよう、さらには発注者が取り組もうとする際の参考としても用いることができるよう、進めるべき取り組みについて、請負事業主、発注者それぞれに向けて、わかりやすく示すことが適当であると考え、ガイドラインとチェックシートを作成した。

 今後は、こうしたガイドラインやチェックシートに沿いながら、請負事業主及び発注者が雇用管理の改善や適正化の促進に取り組むことを期待する。

 以上のような内容となっています。

 これを読んでいくと、需要の拡大と共に請負事業の必要性を認めるものの、単なる「人だし」にならないよう求めていることがわかります。ガイドラインを読んでいくにつれ、すでに法規制されている「人材派遣」と同じような書類の整備や雇用管理の充実が請負にも求められています。

 請負会社の皆さんは、早めに「合法的な請負」になるように整備し、その上で、ガイドラインに添った形で仕組みをつくっていくことが大切かと思います。この報告書の中にあるように、いずれガイドラインに沿った請負を行っていることが、発注先の企業の評価になるとすれば、早いうちに内容を深く理解し、体制を作らなければならないと思います。

                                                      2007年7月6日
                                                      株式会社ビジネスパートナー

 当社では、請負会社の方々や発注企業の担当者の方に「合法的な請負」とはどのようなものか、今の請負契約は問題がないかといったことについてのご相談をお受けしております。ご希望の方は、ご連絡ください。尚、希望相談日時、簡単な相談内容をご記入の上ご予約ください。費用は、1回5,000円(45分程度)となります。

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