■概要
先日社団法人労務管理教育センターが明らかにした、派遣受け入れ企業の基本認識調査の話題をお伝えします。各地区の労働局が今月末日まで、「請負・派遣適正化キャンペーン」を行っていることは、ご承知のことと思います。厚生労働省は、法令違反への理解を深めるため、スタッフを供給する側の派遣会社を取り締まるだけでなく、スタッフを受け入れる派遣先に向けた労働法規に関するセミナー活動を全国で行っています。
そのセミナーを全国で開いている社団法人労務管理教育センターが行った「受け入れ企業の基本認識調査」によると、派遣と請負の区分について「十分に理解していた」と答えたのは21.2%にとどまりました。
「ある程度理解していた」のは60.3%と高い割合でしたが、「完全に理解して初めて法令を遵守できる」と考えれば、まだまだ派遣先の理解不足により偽装請負が横行していることになります。
<派遣と請負の違いについて>
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十分理解している
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21.2%
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ある程度理解している
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60.3%
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やや理解不足
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13.6%
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全く理解せず
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3.7%
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無回答
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1.2%
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さらに、労働災害など労働安全衛生法における責任については「十分に理解」が8.9%にとどまっています。
<労働安全衛生法の派遣先の責任について>
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十分理解している
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8.9%
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ある程度理解している
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44.8%
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やや理解不足
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34.9%
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全く理解せず
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9.9%
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無回答
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1.5%
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ここしばらくは、十分な情報提供を行い派遣先に法令の周知徹底をはかるという路線で進むと思われます。しかし、その後の対応は、保険業界や他の業界での例から明らかなように、強硬手段に臨むことが予想されます。
強硬手段とは、偽装請負問題を職業安定法違反で派遣元と同時に派遣先にも罰則適用を行い、力ずくで法令遵守を促そうということです。
■今後予想される問題
職業安定法第44条では、「何人も、次条に規定する場合を除くほか、労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない。」(次条に規定するとは、許認可を受けた派遣事業者から派遣社員を供給することをいいます。)と規定しています。
さらに職業安定法第64条では、「次の各号のいずれかに該当する者は、これを1年以上の懲役又は百万円以下の罰金に処する」として第9号に「第44条の規定に違反した者」と定めています。
よって、本来派遣契約を締結していなければならないところ、請負で契約するなどの行為は、すべて偽装請負とされ、労働者供給事業に該当してしまうことになるのです。
派遣事業所の許可を持っていても、偽装請負は労働者供給事業に該当するため職業安定法違反とみなされます。ただいまだかつて、職業安定法第44条の違反に問われたケースはありません。
しかし、このまま偽装請負問題が解決できないとなれば、実際に適用されるケースがでてきてもおかしくありません。
■派遣会社の対応
派遣先の中には、派遣法の勉強をして現場の管理者の意識を高めようとしている企業も多くなってきました。しかし、それらは上場企業など一部の大手企業に限られています。中小企業(日本の場合90%以上が中小企業といわれています。)の場合は、そこまで社内で教育する余裕もなく、現場の管理者に任せているのが実情です。
そうなると、多くの現場では、偽装請負であっても「派遣会社の方で、いい手を考えてくれ。」とパスされてしまうのです。派遣会社もどうしていいかわからずに、原状のまま偽装請負を継続しているケースが増えています。背景としては、派遣の期間制限が大きいようです。3年経ったら派遣できなくなるのであれば、請負のほうがいいという声が聞こえてくるのは、そのあたりの問題があるのではないでしょうか。
それを回避するためには、派遣会社のほうから、もっと情報を提供し派遣先に危機感をもってもらい、派遣法の理解を深めてもらうよう、努力していかなければならないのではないでしょうか?その上で、お互い最も良い解決策を探っていくことが大切であり、そこまでするということで他社との差別化を図ることもできるのではないでしょうか?
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