平成23年度 東京労働局行政運営方針の概要

東京労働局のほか、全国労働局で同様の行政運営方針が明らかにされています。概ね同じような内容となっております。詳しくは、各地区労働局のホームページ等でご確認ください。

ここでは、需給調整事業(労働者派遣及び職業紹介)の分野における重点対策についてお伝えします。


受給調整事業の分野における重点対策
 特に注意していただきたい点に絞って内容をご紹介します。

的確かつ厳正な指導監督の実施

(1)法制度の周知、計画的な指導監督の実施

@法制度の周知
 派遣労働者の保護及び雇用の安定のための措置の更なる充実を図るため、労働者派遣法改正法案が成立した場合に、派遣元事業主及び派遣先の双方に対して積極的な周知及び指導を図る。
 また、現行法制下においても、労働者派遣事業や職業紹介事業が適性に運営され、その機能と役割が十分に発揮されるよう、派遣元事業主、派遣先、職業紹介事業者等に対して労働者派遣法及び職業安定法の周知・徹底を図る。

A的確かつ厳正な指導監督の実施
 指導監督に当たっては、東京労働局各部室、監督署、安定所及び各労働局需給調整事業担当部門との連携を図りつつ、派遣元事業主及び請負事業主並びに職業紹介事業者の事業運営、派遣労働者等の派遣先等における就労実態及び違法事案の把握に努めるとともに、的確かつ厳正な指導監督を実施する。

 実施に当たっては、訪問指導を基本に、呼出指導、集団指導についても、計画的かつ効果的に実施する。さらに、是正指導後は的確かつきめ細かな確認を行い違法事案の是正を徹底する。


  派遣法改正法案が国会に提出されているため、可決・成立される可能性が残されています。そのための準備も進めながら、現行法下での機能・役割が果たされるよう、行政の役割を現行の労働者派遣法並びに職業安定法の周知・徹底を図ることとしています。

 周知・徹底について具体的な活動が、Aに示されています。また、派遣元事業所だけでなく派遣先での就業実態及び違法事案の把握に努め、的確かつ厳正な指導監督を実施するとしていることも、今年度の大きな特徴です。

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(2)悪質な違反を行った事業主及び違反を繰り返す事業主に対する厳正な指導監督の実施
 悪質な違反を行った派遣元事業主、指導を行ったにもかかわらず違反を繰り返す派遣元事業主、繰り返し違法派遣を受け入れる派遣先に対しては、行政処分、勧告・公表を含む的確かつ厳正な指導監督を実施する。

   また、労働基準部との連携のもと、偽装請負の就労実態にあって重篤な労働災害を発生させた事業者に対しては、労働者派遣法等に基づく行政処分等厳正な措置を講ずる。


(3)派遣受入期間を超えた違法派遣への厳正な対応
 派遣受入期間を超えた違法派遣については、厳正に対応するとともに、特に、専門26業務と称して派遣を継続する事業者に対しては、派遣適正化のための指導監督を継続して実施する。

 また、指導監督に当たっては、原則として、派遣先の訪問調査を実施し、当該派遣先が別の派遣元事業主から受け入れている労働者派遣についても確認を行い、違反が認められた場合には、そのすべてについて指導監督を行う。


  今でも自由化業務に該当するにもかかわらず、専門26業務と称して派遣を受け入れている派遣先が多いようです。そのため今年度は、派遣先への調査を重点的に行い、違反を確認した場合、違反を犯している派遣先が受け入れている派遣元事業主すべてについて指導監督を行うものとしています。労働局にとっては、違反している派遣元事業主を芋づる式に調査できることもあり、昨年後半から、力を入れているようです。

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 (4)偽装請負に対する厳正な対応
 情報提供、定期指導を含め、様々な端緒をもとに、業務請負、事業委託等の状況を把握し、業務請負等と称しつつ、実態として労働者派遣の形態で業務を行っていることが判明した場合は、是正指導を実施する。

 また、派遣から請負への切替を行う派遣元事業主及び派遣先の増加が見込まれることから、労働者派遣契約に引き続き派遣先を発注者として請負に移行したものについては、臨検指導を実施する。


   臨検とは、労働局の職員や労働基準監督官が、労働基準法関係法令違反の有無を調査する目的で事業場に立ち入ることをいいます。つまり、今までの派遣契約から業務請負に代える場合法令違反があるケースが多いことから、臨検し違法が発覚すれば、是正指導を行う対象にしているのです。
 臨検には、大きく分けて2つの種類があります。定期監督と申告監督の2つで、前者は、労働局が年度の方針を決めて、それに基づき定期的に実施するもので、後者は、労働者からの申告があったときに実施するものです。最近は、後者の申告監督が増加しているといわれていますので、安易に派遣契約から請負契約に切り替えることには、十分注意が必要です。


 (5)職業紹介事業者に対する指導監督の徹底
 職業紹介については、日々単位等の職業紹介が適正に行われているか、適正な手数料徴収、賃金の間接払いに関わっていないか等について、指導監督を徹底し、違法事案に対して的確かつ厳正に対応する。


    派遣法改正法案に日雇派遣の原則禁止が盛り込まれてから、その代替策として「日々紹介」という形態が模索されています。しかし、単に日雇派遣の形態を契約上「日々紹介」とする懸念がもたれています。実態は、日雇派遣と何ら変らないケースが見られるため、紹介事業者にも、指導監督が徹底されるようになりました。

(6)事業報告書未提出等の事業主に対する厳正な指導監督の実施
 事業報告書未提出の派遣元事業主及び職業紹介事業者に対しては、指導を徹底するとともに、指導を行ってもなお未提出の場合には行政処分を含め厳正に対処する。

申告、苦情相談への迅速かつ適切な対応

 派遣労働者等からの申告、苦情相談については、正確な内容の把握に努めるとともに、問題が認められる事案については、迅速かつ的確に対応する。


 派遣労働者等からの申告、苦情相談とは、具体的にどのように行われているのでしょうか?例えば、派遣社員が期間制限を超えて働いている場合、派遣先に直接雇用申込義務が発生します。この場合、この制度を利用して、派遣先に自分を直接雇用するよう労働局に指導してもらうケースが考えられます。方法は、2つあって、直接労働局の窓口にいくか電話等で、相談するケースと、文書を作成して労働局に送るケースがあります。後者の場合に作成するのが「申告書」というものです。先に事例で言うと「労働者派遣法第48条に基づく指導・助言等に関する申告書」などというタイトルで、労働局に送られてきます。

 このような、申告、苦情相談に迅速かつ適切な対応をしようというものです。


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